01.13 シャッターアイランド ★3
シャッター アイランド [DVD]/レオナルド・ディカプリオ,マーク・ラファロ,ベン・キングズレー
米評価 ★★★☆☆
主演
レオナルド・ディカプリオ
監督
マーティン・スコセッシ
内容
シャッターアイランドは精神疾患のある犯罪者を隔離収容する孤島の刑務所。
ここで1人の女性が、謎のメッセージを残して跡形もなく消えた。
連邦保安官テディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は事件を捜査するために新しい相棒チャック(マーク・ラファロ)ととも島にやってくるが、テディがこの島に来たのには他にも理由があった。
ネタばれ注意!
感想
どっちだろう?
ラストはミステリー小説によくある「実は主人公が精神異常者でした。」っていうオチ。
アンドリューいや、テディ?が精神異常者でシャッターアイランドの患者だったとして、腑に落ちない点がたくさんある。
まず、最初のおばさんがした「シー」という内緒の合図。
一体どうゆうこと?
何を黙っていれというのだろう。
そして、患者を尋問している際の逃げてのサイン。
何から逃げれというのだろうか。
主人公がテディだったら理解出来るのだが、アンドリューであるなら意味が通じない。
それもRUNという文字が途中で消えている。
洞窟にいたレイチェル。
彼女の正体は?
あれまでもが幻覚だとでもいうのだろうか。
彼女がしたドリルで頭をぶち抜く話は合っていたし、いくらロボトミー手術が流行っていた時期だからって、保安官である主人公がそこまで手術に詳しいわけがない。
彼女が医者だという事実の方が信じれると思う。
これら、三つは「主人公がテディ保安官である。」という演出側からのサインであったのではないだろうか?
「登場人物の目線や仕草にも注目しましょう」というテロップが最初に流れるくらいだから、どこかおかしい点があるに違いない。
…多分。
所々(特に水爆のくだりの)カメラわりが変に思える所があった。
主人公が発見されて警官に送ってもらう際の背景もなんだか異様。
これも、幻想だよーというサインだったのかな?
・外にいる患者が足かせをしているのに、会議での「足かせ必要だろ。」の発言。
・たばこの逆煙
・コップを持つシーン
これらもサイン?
患者を尋問している際に「アンドリューって知ってるか?」って聞くんだけど、患者側からしたら「いやお前だよ。」って思うだろうけど、そこで「逃げて」?
ううん、やっぱり腑に落ちない。
しかもレイチェルの部屋で発見された紙「4つの法則、67番目は誰?」これもどういう意味なんだろう。
そして誰があそこに仕込んだんだろう。
テディにアンドリュー、ドロレスにチャック。
これが4つの法則で、67番目の患者は主人公?
原作ではテディやドロレスの名前が13文字で、1+3=4だということらしい。
それを意図するのなら、誰がこの紙を?
やっぱり不思議。
2度見する人が多いらしいけど、その気持ちよくわかります。
最後のシーンなんだけれど、日本語訳では「モンスターとして生きるか、善人として死ぬか…。」になっていますが英語の台詞は違うみたい。
「レモンからレモネードは作れるが、レモネードからレモンはできない。」
意味は、良くない事態から良いことを見つける、逆境をうまく利用しろ等など。
幸せから不幸にいくという後者を主人公は選んだのでしょうか。
それとも前者?
分からない英語の台詞より、日本語訳で考えた方が分かりやすいですね。
モンスターとして生きる
つまり、アンドリューとして常に襲われる幻覚や過去の忌々しい記憶のなか生きる
善人として死ぬ
テディという自分を抜けきらない事で精神異常を訴え、ロボトミー手術を受ける
主人公は精神に異常なんかきたしていなかったと思います。
アンドリューなのか、テディなのかは別として、ちゃんと物事をとらえられてたと思う。
でも寝ても覚めても襲ってくる記憶と闘うのはもううんざりだったのでしょうね。
最後、チャック?いやシーアン医師が全てを悟ってとても感慨深い表情で主人公を見送ります。
「テディ!」と叫んでね。
日本語訳のクオリティがとても高いらしいです。
最後の台詞もそうだしね。
あたし的には奥さんが子供たちを殺した等の鬱病説は事実、だが彼自身はテディなのではないだろうかと。
奥さんの事は殺してはいなくて、レディスの放火犯説が本当。
この島の真実を暴くため、保安官として配属されてきた。
だがその真実を知りすぎたために殺される。(人間として)
でも、「アンドリューは入院患者だった」が正しいのでしょうね。
きっと。
何が謎で、どこまでが謎ときなのが謎でした。
これくらいのオチは、ミステリー小説好きなら簡単にわかってしまうのでは?
あたし自身、断薬時の幻覚や頭痛と、薬を飲んでる時のぼんやりとした世界を体感した事があるから、どっちが本当でどっちが嘘なのかわからなくなるシーンにとっても共感が出来ました。
今の世の中、真実を知る薬も、現実を虚像で固める薬も存在するから恐ろしいよね。
主治医が「患者目線」で物事を考えているか、「治療試作目線」で薬を処方するのかなんて、医者にしかわからないし、患者にしてみりゃ本当に怖いもんだよ。
海に覆われている島だからなのか、終始嵐であるためなのか、精神病院を舞台にしているからなのか、常に不気味な雰囲気を漂わせてる映画でした。
どことなく、「インセプション」と似ていると言われているのもわからなくはない。
・死んだ奥さんの幻影にとらえられている
・主人公がディカプリオ
・夢のまた夢を描いている
酷似している点があるしね。
色んな人のレビューを観たけど、やっぱり自分の目で確かめようと思います。
明日、もう一度、いやもう何度か観ようっと。
二度見キャンペーンはもう終わってしまったけど。