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02.06 東京ゴッドファーザーズ ★4

東京ゴッドファーザーズ [DVD]/江守徹,梅垣義明,岡本綾  米評価 ★★★★☆ 監督 今敏 声優 江守徹梅垣義明岡本綾 内容 自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。 クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。 赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。 ネタばれ注意! 感想 数年前に1回観て、弟が観ていなかったので再度観ました。 今敏監督の作品は、何年あとで観たって新鮮ですね。 アニメーションで重要な「動き」の部分を特に「表情」で描き表しているこの作品。 主人公3人それぞれが色んな想いを抱えて色んな表情をするんです。 特にミユキのふてぶてしいマイナス思考な表情がとっても印象的。 少々大げさな表情をする主人公達がとっても愛くるしいです。 オカマのハナちゃんがすっごいインパクトなんですけど、その肩書がドラァグ・クイーン。 最初あたし、ドラッグ・クイーン?と思って薬?と悪印象を持っちゃってました。 純粋なハナちゃんごめんなさい。 ドラァグクイーンの起源は、男性の同性愛者が性的指向の違いを超えるための手段として、ドレスやハイヒールなどの派手な衣裳を身にまとい、厚化粧に大仰な態度をすることで、男性が理想像として求める「女性の性」を過剰に演出したことにあるといわれる。 とありました。 まんまハナちゃんですね。 drag queenのdragをカタカナ書きするとドラッグと表記するみたいで、あたしみたいに間違える人が多いみたい。 だからあえてドラァグ・クイーンって言うんですって。 へー。 ふーん。 (べ、べつに興味無いわけじゃあないんだからね!) ホームレスが捨てられた子供を拾っちゃう。っていうあり得ない話が大元なんですけど、家を失くし家族を失くした者だからこそ理解出来て助け合えるんですよね。 「感動したっ!」とまではいかないけど、なんだかクリスマスに起こった一夜の奇跡話みたいでとっても心温まります。 あたしヤクザの親分が車の下敷きになっていたシーンが好きです。 思わずプププッて笑っちゃう。 そしてヤクザのくせに(ヤクザゆえに?)人情あふれたおっさんでして、自分の娘の結婚式にまでこのホームレス達を招いちゃうっていう。 いいなあこうゆう展開。 本当にこうゆう事ってあるのかなって思っちゃいますよね。 その結婚式で銃発砲しまくる異国人さんのお嫁さんもとってもあったかい人で素敵です。 2度出てくるタクシーの運転手も優しくって素敵。 甲斐性無しのろくでなし駄目夫も奥さんに呼び掛けるシーンは素敵だし。 実の娘に刺されても優しい声をかけるお父さんも素敵。 ハナちゃんをあたたかく迎えてくれたママさんも素敵。 こんな世の中だけれど、優しい人間もいるんだって十分に思わせてくれます。 大掃除野郎たちは除いてね。 今敏監督らしい、「心に何かを抱えているちょっとおかしい人間」もちゃんと出てきます。 幸子さん。 幸せでない子と書いて幸子。 お腹に居た子もいなくなって、家にいるのはろくでもない旦那。 病院から新生児をかっさらっちゃうんですよこの人。 そして笑いかけて一瞬の希望を与えてくれた赤ちゃんもろとも死んでしまおうとするイカレタ人間。 精神が病んでるんでしょうね。 旦那さんがかけてくれた優しい言葉も逆手にとって自殺と逃げ込みます。 その弱い人間の心理描写がうまいこと表わされていてさすがは今敏監督と思わせてくれます。 パーフェクトブルーにしてもパプリカにしてもこうゆう描写があってこその今アニメだって思うんですあたし。 作画紹介のコーナーでのビルの細々して描写が素人のあたしにとってはビックリでした。 あんな細かい作業、人間が出来るんですね。 マッドハウスの皆様お疲れさまでした。 あ、ファミレスのシーンで出てきたお店はAKIRAでバイク突っ込んだお店なんですって。 弟が言ってたんだけど本当なのかなあ? このブログにておきまりの最後に貼るYoutube、今回は本田雄パートのものです。 本田雄さん、22歳という若さで作画監督をやり遂げてしまうあだ名「師匠」そのものの人。 東京ゴッドファーザーでらせん階段の描写をうまいこと描いているんですが、パーフェクトブルーでもらせん階段を走り抜く描写を描いているんですよね。 (弟いわく)アニメーターが描きたいランキングトップ圏内に入る「らせん階段の描写」。 駆け抜ける際に踊り場で少しクッションがあるんですけど、それもちゃんと描かれていてすごいです。 是非ご覧になって下さい。