01.31 あるいは酒でいっぱいの海/筒井 康隆 ★2
あるいは酒でいっぱいの海 (集英社文庫 79-C)/筒井 康隆
米評価 ★★☆☆☆
著者
筒井 康隆
内容
海全体がこぼこぼと沸き返った!酒だ。世界中の海が酒になっちまう。
そして川をさかのぼり、湖に沼に、さらには貯水池に…。
ブラック・ユーモアの鬼才の原点を示す初期短編集。
ネタばれ注意!
感想
タイトルになっている「あるいは酒でいっぱいの海」は面白いです。
いろいろな実験をしている内に作り上げた大発明品!
それが元でとんでも無い事件が起こってしまう。
星新一の作品でもこのようなものがありますよね。
他の著者でも存在すると思います。
意味のわからない英語が並ぶ元素記号が出てきたり、そうと思えば安易にそれを落としちゃったりする。
思わず「あはっ」と笑ってしまう作品です。
ですがこの作品、出だしは好調なのですが他の作品がどうも…。
短編ながら、起承転結の簡潔さが問われるのに筒井さんてば肝心の「転」にインパクトが無い。
あたしは短編小説がとても好きなのですが(通勤時に読めるし、短い文章にかける潔さが好き)これはちょっと読み応えが無かったです。
星も1で良かったのですが、出だしは良かったし「時をかける少女」「パプリカ」の発案者としてその可能性には魅力を感じているので、次回作に期待することにします。
ううん、それにしてもこれが初期作品か…。
もっと最初からトバしてる作者っていないものかなあ。